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労務関係

随時改定(月額変更)をしなかったらどうなる?忘れた場合の罰則など

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目次

従業員の給与等に大きな変動があった場合、事業者は随時改定(月額変更)をしなければなりません。

ただ中には、「忙しくてつい届出を忘れてしまった」というケースもあるかもしれません。

そこで今回は、事業者が随時改定をしなかったらどうなるのか、わかりやすく解説したいと思います。


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  • 減給で基本給が下がった場合の手続き有無
  • 算定基礎届と月額変更届、どちらの標準報酬月額が優先されるか?

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随時改定(月額変更)とは


まず、随時改定(月額変更)について、簡単に説明をします。

随時改定とは、昇給や降給等によって従業員の報酬に変動があった場合、それを社会保険料に反映させるための手続きの1つです。

この手続きは、事業者が「月額変更届」という書類を作成し、管轄の年金事務所に提出することによって行います。そのため随時改定は、実務上「月額変更」「月変」と呼ばれています。

会社と従業員が負担する社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)の額は、従業員の1か月分の給与等を一定の範囲ごとに区分した「標準報酬月額」に基づいて算出をします。

そして、従業員の給与等の変動を社会保険料に反映させるため、毎年1回、標準報酬月額の見直しが行われ、これを「定時決定」といいます。

ただ、年度の途中に従業員の給与等に大きな変動があった場合、定時決定だけでは対応することができません。

そこで、一定の要件に該当する場合は、定時決定をまたずに標準報酬月額の見直しが行われ、これを随時改定といいます。

随時改定をしなかったらどうなる?

従業員の給与に大きな変動があるなど、一定の要件をすべて満たす場合、事業者は随時改定をしなければなりません。

では、事業者が随時改定をしなかった場合、どうなるのでしょうか。

法令違反にあたります

従業員が一定の要件を満たす場合、事業者は速やかに随時改定を行わなければなりません。

これは法令上、事業者に課せられた義務であり、随時改定をしないことは法令違反にあたります。

健康保険法等によると、随時改定を行わなかった場合「6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金」に処せられます。

ただ、相当長期にわたって放置していた場合や、わざと虚偽の届出を行うなど、よほど悪質と判断されない限り、罰則が適用されることはほとんどありません。

もし、随時改定をしていないことに気づいた場合は、ごまかしたり放置したりせず、すぐにその旨を年金事務所に報告しましょう。

年金事務所から指摘される可能性

随時改定が適切に行われていないと、年金事務所等の行政機関から調査・指摘されることがあります。

行政機関から指摘された場合、過去に遡って届出をやり直したり、社会保険料が追加徴収される可能性もあります。

過去に遡って処理をやり直すのは、手続きが複雑になりとても大変です。

そうならないためにも、必ず適切に随時改定を行うようにしましょう。

もし、年金事務所から指摘が入ってしまい、処理が必要になった場合には、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。

SATOでは、これまでに多くの年金事務所の調査対応を請け負っており、調査前の相談から、調査時の立ち合い、指摘された後の修正処理等についても、幅広くサポートいたします。

従業員とのトラブルにつながる可能性

会社が適切に随時改定を行わないと、従業員の給料等が社会保険料に反映されず、結果として従業員が将来受け取る年金額等に影響が出てしまう可能性があります。

また、年金事務所に指摘された場合には、過去に遡って従業員から社会保険料を徴収しなければならない可能性もあります。

このような場合、会社と労働者のトラブルに発展するケースがあるため、経営者や担当者は毎月、随時改定に該当する従業員がいないかどうかチェックする必要があります。


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従業員の給料から適切な社会保険料を算出するためには、随時改定のチェックや手続きが欠かせません。

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随時改定が必要になる場合


随時改定は、従業員の給与等に大きな変動があった場合に、社会保険料の見直しをする制度の1つです。

具体的には、次の3つの要件すべてに該当する場合に随時改定を行います。

  1. 昇給や降給等により従業員の固定的賃金に変動があったこと
  2. 変動月から3カ月間の給与の平均額が該当する標準報酬月額と、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差ががあること
  3. 変動月から継続した3カ月の支払基礎日数が、いずれも17日以上あること

随時改定は、この3つの要件全てに当てはまる場合に行います。

例えば、従業員の残業手当が増えて標準報酬月額に2等級以上の差が生じたとしても、基本給などの固定的賃金に変動がない場合は、1の要件を満たさないため随時改定は必要ありません。

固定的賃金の意味

随時改定は従業員の固定的賃金に変動が生じた場合に行います。そのため、経営者や担当者としては、固定的賃金の意味をしっかり押さえておくことがとても重要です。

固定的賃金とは、従業員の勤務状況に関係なく一定額が支払われるもののことをいいます。

例えば、基本給や役職手当、家族手当などが固定的賃金に含まれます。

その他にも、時給者が月給者に変更になった場合も、給与形態の変更があったものとして、固定的賃金の変動にあたります。

これに対して残業手当や皆勤手当等は、従業員の勤務状況によって変動するため、非固定的賃金といわれます。


随時改定の手続き

従業員が随時改定の要件すべてに該当する場合、会社は速やかに「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届」を作成し、管轄の年金事務所に提出しなければなりません。

「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届」は、年金機構のHP等からダウンロードして使用することができます。

提出方法は、窓口に持参する方法、郵送、電子申請の3つがあります。

添付書類は基本的にありませんが、年間報酬の平均で算定することを申し立てる場合には、別途「申立書」と「被保険者の同意書」が必要になります。


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まとめ

随時改定は、従業員の給料等の変動を社会保険料に反映させるための手続きです。

従業員が随時改定の要件を満たす場合、事業者は速やかに手続きをしなければなりません。

手続きを忘れていたり、ミスをした場合など、適切に随時改定をしなかった場合は、次のように罰則等を受ける可能性があります。

  • 法令違反として処罰される
  • 年金事務所から指摘される
  • 従業員とのトラブルにつながる

随時改定を適切に行うには、毎月、該当する従業員がいないかどうかチェックすることが重要です。

ただ、随時改定は内容がわかりにくく、手続きも複雑になるケースがあります。

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