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適用事業報告とは?書き方のポイントや手続きをわかりやすく解説

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目次

会社を設立し、従業員を雇い入れたとき、その会社は労働基準法の適用事業所となります。

このとき、会社は「適用事業報告」という書類を作成し、管轄の労基署に提出をしなければなりません。

とても重要な書類ですが、中には「出し忘れていた」「そもそも提出することを知らなかった」という事業主の方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、そもそも適用事業報告とはどんな書類なのか、どうやって手続きをすればいいのか、出し忘れたらどうなるのか、等について解説をしたいと思います。

そもそも適用事業報告とは?

適用事業報告とは、労働基準法という法律の適用を受けるようになった場合に、その事実を管轄の労働基準監督署に報告するための書類です。

労働基準法とは、従業員の労働条件の基準について定めた法律のことで、労働時間や賃金、休日などの基準について規定しています。

労働基準法が適用されると、その会社は、労働者の労働時間や賃金、休日などを事業主が自由に定めることはできず、労働基準法の範囲内で定めなければならなくなります。

では、どうなると労働基準法が適用されるのか、というと、労働基準法は事業所が労働者を雇った時点で適用が開始されます。

そのため、従業員を1人でも雇った事業所は、労基署に「適用事業報告」を提出しなければならないのです。

会社の立ち上げ時、既に従業員がいる場合は、会社の設立と同時に労働基準法の適用事業所となり、適用事業報告の提出が必要です。

もし、「まだ適用事業報告を出していない」「適用事業報告の手続きがさっぱりわからない」という方は、社労士を利用すると便利です。

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適用事業報告はアルバイトやパート従業員を雇った場合でも必要


適用事業報告は、事業所が労働者を1人でも雇った場合に必要となる書類です。

この労働者とは、正社員だけでなく、アルバイトやパート従業員、契約社員など名称を問わず、原則としてその会社で働く労働者がすべて含まれます。

ですから、アルバイトやパートを1人でも雇用した場合、適用事業報告の届出が必要なので注意しましょう。

ただし、同居している親族については、ここでいう労働者に含まれません。

そのため、家族だけで事業を営んでいる場合については、適用事業報告を提出する必要はありません。

適用事業報告の提出は事業所ごとに必要

労働基準法は、原則として「企業」単位ではなく「事業所」単位で各規程が適用されます。

そのため、適用事業報告は、事業所単位での提出が必要です。

事業所とは、場所的に独立した個々の事業や事務所のことをいい、本社・支店・営業所・工場・出張所などのことをいいます。

同じ場所であっても、労働の態様が異なり、労働者や労務管理が明確に切り離すことができる場合には、それぞれが1つの事業所となります。

例えば、同じ工場内にある食堂と作業場で、それぞれ従業員の給与体系や出勤時間の管理など、労務管理が全く異なる場合には、それぞれで適用事業報告が必要になります。

逆に、場所的に離れていても、出張所や支店の規模が著しく小さく、事業所として独立性がないものは、適用事業所にあたらない場合があります。

その場合は、本社や本店など、直近上位の組織が一括して手続きをすることになります。

もし、自社の場合に、適用事業所の提出が必要かどうかわからないという方は、社労士に相談すると、必要かどうかの判断や、必要な場合の手続き代行まで行ってくれるので非常に便利です。


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適用事業報告を出し忘れたらどうなる?

適用事業所の提出期限については、労働者を雇ったら遅滞なく提出することになっています。

ですが、中には提出するのを忘れてしまったり、忙しくてなかなか提出ができないという事業主の方もいると思います。

では、適用事業報告をすぐに提出しなかった場合はどうなるのでしょうか。

適用事業報告を提出しないと、最悪の場合、30万円以下の罰金に科せられる可能性があります。

ただ実際は、建設業など一部の業種を除いて、多少遅れて提出しても、受け付けてもらえるケースが多いようです。

しかし、適用事業報告を未提出の間に、労災事故などが起きてしまうと、刑事罰などのトラブルにつながる可能性があるので、できるだけ早めに提出するようにしましょう。

もし、「適用事業報告をまだ提出していない」「適用事業報告の提出を忘れていた」という事業主の方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。

専門のスタッフがお客様の状況をヒアリングして、適切に対応させて頂きます。

適用事業報告の提出の手続き内容

それでは、適用事業報告を提出する際の具体的な手続き内容について解説をしていきます。

適用事業報告の様式(書類)については、厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。

適用事業報告の提出先となるのは、事業場を管轄する労働基準監督署(監督課)です。

本社や本店を管轄する労基署ではないので注意しましょう。

添付書類などは特に必要ありません。

労働者数については、正社員だけでなくパートやアルバイト等も含まれますが、取締役などの役員、一人親方などは労働者に当たらないため含まれません。

備考欄の適用年月日は、最初の従業員を採用した日を記載します。

会社の設立日や、事業所の開設日とは異なる可能性があるので注意しましょう。

また、令和3年4月までは事業主の押印が必要でしたが、行政文書の押印廃止に伴い不要となりました。

適用事業報告の控えを作成しておきましょう

適用事業所の提出をする際は、控え・写しを作成しておくと、後々便利なのでおすすめです。

適用事業報告の控え・写しがあれば、労働基準監督署による指導監査などが行われた際に、適正な手続きを行っていることの証明になります。

また、建設業など一定の業種の場合、取引先から適用事業報告の控えを求められることがあります。

控え・写しの作成方法は、とても簡単です。

まず、作成した適用事業所のコピーを作成し、余白に控えと記載します。

届出の際に控えを一緒に提出すると、労基署の担当者が控えに受付印を押して返却してくれるので、これを控えとして保管します。

同じタイミングで労基署に提出する主な書類


事業所が従業員を雇用したときに、作成・提出しなければならない書類は適用事業報告の他にもあります。

そこで、事業所が適用事業報告と同じタイミングで、労基署に提出する主な書類について、ご紹介したいと思います。

労働保険 保険関係成立届

基本的に、事業所が労働者を1人でも雇用すると労働保険の適用事業所となります。

適用事業所となると、労働保険料の申告や納付をする義務が生じます。

このとき、労基署に提出しなければならない書類の一つが「労働保険 保険関係成立届」です。

この書類は、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に管轄の労基署に提出しなければなりません。

添付書類として、会社の場合は登記簿謄本、個人事業主の場合は住民票が必要です。

労働保険 概算保険料申告書

この書類は、労働保険料の申告・納付のために必要となります。

提出期限は、保険関係が成立した日の翌日から50日以内です。

届出の際、あわせて概算保険料の納付も行います。

届出先は、基本的には管轄の労働基準監督署・都道府県労働局ですが、納付金がある場合には、最寄りの金融機関等でも行うことが可能です。

まとめ

適用事業報告とは、会社が労働基準法の適用対象になったことを労基署に報告するための書類です。

正社員、契約社員、アルバイト、パート従業員など、契約内容を問わず、従業員を1人でも雇った場合は、原則としてこの書類の提出が必要になります。

建設業などの一部の業種を除いて、提出が遅れたからといって、厳しく罰せられたりすることは基本的にありませんが、提出していない間に労災事故などが起きると、トラブルにつながる可能性があるので注意しましょう。

適用事業報告について、「もっと詳しく知りたい」「気になることがあるので聞いてみたい」という方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。

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