• ホーム
  • 育児休業給付金支給申請書の書き方をわかりやすく解説

育児休業給付金支給申請書の書き方をわかりやすく解説

アイキャッチ画像
目次

子どものミルクやおむつ等、何かと出費が多い育休の期間中は、残念ながら会社からの給料はなく、基本的には無給となります。

しかし、そんな中で重要な収入源となるのが、雇用保険から支払われる育児休業給付金です。

育児休業給付金の給付申請は、会社と育休中の従業員との間でやり取りの上、手続きを行う必要があります。

育休中の従業員にとって、とても重要な手続きとなりますので、人事担当者が正しくスムーズに手続きが行えるよう、育児休業給付金支給申請書の書き方のポイントをわかりやすく解説していきます。

従業員の産休や育休の手続きなどについて、「社労士に直接相談したい」という方は、ぜひSATO社労士法人にお気軽にお問合せください。


育児休業給付金支給申請書の書き方について

従業員が育児休業給付金の支給を受けるには、雇用保険の被保険者である従業員を雇用している会社が手続きを行う必要があります。

手続きに必要な、育児休業給付金支給申請書は、ハローワークで入手することができます。

また、ハローワークのホームページでも、様式の印刷・内容を入力して印刷することができます。

正しくスムーズに手続きが行えるよう、書き方については、申請用紙に記載されている番号に沿って書き方を解説していきます。

提出書類①「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」

1.被保険者番号

雇用保険被保険者証に記載されている、従業員の被保険者番号を記入してください。

2.資格取得年月日

雇用保険の加入資格を得た日を記入してください。

従業員の入社当日、または雇用条件の変更日が資格取得日であることが一般的です。

3.被保険者氏名

従業員の氏名を記入してください。

4.事業所番号

当該事業所の事業所番号を記入してください。

5.育児休業開始年月日

従業員が育児休業を開始した日を記入してください。

出産した日を記入するのではなく、育児のために会社を休業し始めた日を記入するという点に注意しましょう。

6.出産年月日、7.出産予定日

育児休業に係る子の出産年月日、出産予定日を記入してください。

9.個人番号

従業員の個人番号を記入してください。

10.11.被保険者の住所、12.被保険者の電話番号

従業員の郵便番号、住所、電話番号を記入してください。

13.支給単位期間その1

申請用紙1枚で2か月分の申請ができます。

その1には最初の1か月目の年月日を記入してください。

例≫令和4年11月5日の場合は、5-041105-1204と記入します。

14.18.22.就業日数

それぞれの支給単位期間において、就業した日があった場合は、その日数を記入してください。

15.19.23.就業時間

それぞれの支給単位期間において、就業した日が10日を超えている場合には、就業した時間を記入してください。

16.20.24.支払われた賃金額

それぞれの支給単位期間において従業員が就業したことで、支払った賃金の額を記入してください。

また、支給対象期間中に支払った賃金であっても、育児休業の期間以外の期間を対象とした賃金は記入する必要はありません。

17.支給単位期間その2

2か月目の年月日を記入してください。

21.最終支給単位期間

育休が終了する期間がある場合には記入が必要となります。

25.職場復帰年月日

支給申請時点で、「育児休業給付金支給決定通知書」の「支給期間末日」より前に、従業員が職場復帰し、育児休業を終了している場合、その職場復帰日を記入してください。

26.支給対象となる期間の延長事由-期間

育児休業に係る子が、1歳の誕生日を迎えるときに保育園に入園できない等の理由で、育休を延長する場合には、延長事由と期間の記入が必要となります。

27.配偶者育休取得、28.配偶者の被保険者番号

パパママ育休プラス制度によって、子が1歳以降(1歳の誕生日の前日以降)1歳2か月未満までの期間も育休取得の場合のみ記入してください。

従業員の配偶者が、育休を取得している(していた)場合に「1」と記入します。

〇「事業所名(所在地・電話番号)、事業主名」、「申請者氏名」

「事業所名(所在地・電話番号)、事業主名」の欄は、内容に誤りがないことを事業主が証明する欄です。必要事項を記入してください。

※以前は、事業主印を押印していましたが、現在では、押印を省略することが可能となっています。

「申請者氏名」の欄は、被保険者本人=従業員が氏名を記入してください。

ただし、従業員と合意のもとで「記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書」が提出された場合には、被保険者の記名を省略することは可能です。

この場合、申請者氏名欄には、「申請について同意済み」と記入してください。

〇「払渡希望金融機関指定届」

 従業員が、育児休業給付金の振り込みを希望する金融機関情報を記入してください。

ただし、被保険者本人=従業員の名義でなければなりませんので、旧姓でないかを含め確認が必要です。

 提出書類②「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」

1.被保険者番号

雇用保険被保険者証に記載されている、従業員の被保険者番号を記入してください。

2.事業所番号

当該事業所の事業所番号を記入してください。

3.休業等を開始した者の氏名

従業員の氏名を記入してください。

4.休業等を開始した年月日

従業員が育児休業を開始した日を記入してください。

5.名称・事業所所在地・電話番号/事業主証明欄

事業所の名称・所在地・電話番号を記入してください。

/事業主の住所・氏名を記入してください。

6.休業等を開始した者の住所又は居所

従業員の郵便番号、住所、電話番号を記入してください。

7.休業等を開始した日の前日に離職したとみなした場合の被保険者期間算定対象期間

休業を開始した日から遡って、2年の間で賃金支払基礎日数が11日以上ある月を、12カ月分記入してください。

8.⑦の期間における賃金支払基礎日数

7で記入した賃金支払対象期間における、賃金支払いの対象となった日数を記入してください。

なお、有給休暇の対象となった日や休業手当の対象となった日を含みます。

月給者の場合は、賃金支払対象期間の暦日数を記入してください。

(例≫4月は30日、5月は31日等)

日給者・時給者の場合は、出勤した日数を記入してください。

9.賃金支払対象期間

7の被保険者期間算定対象期間に対応する、事業所での賃金対象期間(賃金締切日の翌日から次の賃金締切日まで)を記入してください。

10.⑨の基礎日数

9で記入した期間における、賃金支払いの対象となった日数を記入してください。

なお、10の基礎日数が11日以上ある完全月を6か月分記入する必要があります。

11.賃金額

まず、月給者はA欄に、日給者・時給者はB欄に記入します。

なお、日給者・時給者で月額にて支払われる賃金(通勤手当・家族手当等)はA欄に記入し、合計額を計欄に記入してください。

記入する賃金額は、通勤手当等全ての手当込みで、社会保険料や税金の控除前の総支給額を記入します。

また、通勤手当をまとめて支払っている場合には、1か月あたりの額を計算し、各月に計上する必要があります。

12.備考

7~11の参考となること(賃金未払い、欠勤、休業手当の支払い等)を記入してください。

13.賃金に関する特記事項

3か月以内の期間ごとに支払われる特別の賃金がある場合は記入してください。

対象となる従業員に記載内容を確認してもらい、相違ない場合は押印または自筆による署名をしてもらう必要があります。

こんなところに要注意!手続きする際のポイント


ポイント① 育児休業給付受給資格確認通知書を確認しましょう!

育児休業給付の受給資格が確認された場合、『育児休業給付受給資格確認通知書』には“次回支給申請期間”が記載されています。

記載されている期日が支給申請の期限となりますので、期日を確認し申請漏れの無いように注意しましょう。

ポイント② 育休を延長する際の注意点

育児休業に係る子どもが、1歳になる誕生日の前日(再延長の場合は1歳6か月になる前日)までに、保育所等への入所を希望し申し込みを行っているが入所できない等、延長事由が発生した場合には、支給申請手続きのための添付書類(※1)が必要となります。

 また、「育児休業給付金支給申請書」の“26.支給対象となる期間の延長事由-期間”欄に必要事項を記入してください。

 支給申請期間が、育休期間の終了時期となる際、延長事由に必要な添付書類を添付せずに申請すると、自動的に育休終了したとみなされる場合があります。

延長手続きをする際は、従業員より必要書類を受領した段階で、早めに申請することをお勧めします。

※1、延長事由ごとに必要な書類について

  • 保育所による保育が実施されない場合→ 市町村により発行された、保育所による保育が実施されない証明書
  • 養育を予定していた配偶者が死亡した場合→ 住民票の写しと母子健康手帳
  • 養育を予定していた配偶者が病気やけがをした場合→ 医師の診断書
  • 離婚等により配偶者と別居した場合→ 住民票の写しと母子健康手帳
  • 養育を予定していた配偶者が産前産後の場合→ 産前産後に係る母子健康手帳

ポイント③ “休業中の就労”について

業種によっては、育休中の社員に、一時的・臨時的に就労を依頼する場合があります。

また、会社によっては、育休開始日から数日・数か月の間で、会社の育休特別休暇等で給与に該当する金額が支給される場合もあります。

これらの場合、「育児休業給付金支給申請書」には支給単位期間ごとに、賃金が支払われた日数と金額を記載する必要があります。

その金額が、賃金月額の80%以上となる場合、その期間の育児休業給付金は支給されません。

育休特別休暇等が支給される会社の場合は、一定期間、育児休業給付金は不支給となる場合がありますので、自社の制度を今一度確認しましょう。

育児休業給付金支給申請書に関する相談や申請代行は社労士が便利

育児休業給付金の申請は、育休中の従業員にとって非常に重要な手続きなため、ミスをしたり手続きが遅れると従業員とトラブルにつながる可能性があります。

そのため担当者としては、育児休業給付に関する書類の書き方や、添付書類、提出先などについて正確に把握しておく必要があります。

もし、育児休業給付金支給申請書の書き方や、内容について不明点やご相談がある場合は、社労士の利用が便利です。

社労士は人事・労務管理の専門家なので、相談すれば具体的なアドバイスをもらえるからです。

また、通常の業務が忙しくて手続きができないという方には、手続きの代行サービスも行っています。

気になる方は、ぜひ社労士の利用を検討してみてください。


社労士(社会保険労務士)に相談できることをわかりやすく解説|SATO社会保険労務士法人

経営者や人事・労務の担当者であれば、社労士という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。 ただ、中には「そもそも社労士に何が依頼できるのかわからない」という方も多いかと思います。 そこで今回は、社労士に相談できる業務内容や、必要になる費用、相談するタイミングについて、わかりやすく解説をしたいと思います。

sato-magazine.com

og_img


まとめ

育児休業給付金は、育休中の従業員にとって、生活をする上でとても重要な収入源です。

育休中の書類に不慣れだし、難しそう…等の理由で後回しにしてしまうと、支給も遅くなってしまい、従業員に迷惑が掛かってしまいます。

書類上では難しく感じる専門用語も、ポイントを押さえて覚えてしまえば、記入すること自体はそこまで難しくはありません。

育児休業給付金支給申請書の書き方を理解して、滞りなく手続きが行えるようにしましょう。

もし、育児休業給付金支給申請書の内容や手続きについて、不明点などありましたら、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。

お気軽にお問い合わせください。