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バーチャルオフィスでも社会保険や雇用保険に加入できる?

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少し前まで、起業をする場合、貸事務所や賃貸オフィスなどを借りるのが一般的でした。

開業時に賃貸オフィスを借りる資金がなく、自宅で開業するというケースも多かったと思います。

しかし最近では、バーチャルオフィスやレンタルオフィス、シェアオフィスなど、様々なオフィスサービスが登場し、働き方や資金に合わせて選ぶことができるようになりました。

そんな中、最近特に利用者を伸ばしているのが、バーチャルオフィスです。

バーチャルオフィスとは、実際にオフィスを構えなくても、事業に必要なオフィス機能の一部を利用できるサービスのことをいいます。

これから起業をする方の中にも、バーチャルオフィスの利用を考えている方がいるのではないでしょうか。

ただ、バーチャルオフィスで起業する場合、社会保険や雇用保険の加入について、通常のオフィスとは異なる手続きが必要になる可能性があるので注意が必要です。

そこで今回は、バーチャルオフィスと社会保険や雇用保険の加入について、解説していきたいと思います。

バーチャルオフィスと健康保険の加入について


健康保険の保険者には、健康保険組合と協会けんぽの2つがあり、会社はどちらかの健康保険に加入することになります。

一般的に、従業員の多い大企業が、自社で設立した健康保険組合に加入し、それ以外の中小企業が協会けんぽに加入します。

加入する健康保険が、健康保険組合のものか、協会けんぽかで、バーチャルオフィスの取扱いが変わるので注意が必要です。

健康保険組合(組合健保)の場合

2022年の時点では、バーチャルオフィスの新規加入を認めていない健康保険組合がいくつかあります。

健康保険組合がバーチャルオフィスの新規加入を認めない大きな理由としては、「その所在地での事業の実態が証明できない」ということがあげられます。

バーチャルオフィスはその性質上、会社としての実態が全くなくても、住所として登録することができるため、トラブルを避けるため、いくつかの健康保険組合では新規加入を認めていないのです。

そのため、健康保険組合に加入するには、法人登記をしたバーチャルオフィスとは別に、経営者の自宅などをオフィスとして賃貸借契約を締結して、自宅の住所で届出をする、などの対策が必要です。

ただ、バーチャルオフィスの人気が高まる中で、今後は新規加入を認める健康保険組合が増えていくと考えられています。

もし、バーチャルオフィスでの加入を検討している場合は、事前に健康保険組合に確認するようにしましょう。

協会けんぽの場合

中小零細企業が多く加入する協会けんぽの場合、弊所の調べでは特に問題なく登録することが可能でした。

ただし、「郵便物が届くこと」や「電話連絡が付くこと」などの条件が付きますので、ご注意ください。

健康保険に加入をすると、協会けんぽから保険証等やお知らせ、各種通知書など、さまざまな郵便物が会社に届きます。

これらの郵便物を受け取ることができないと、健康保険業務に支障が生じるため、郵送物の受け取りなどの条件が付けられるのです。

バーチャルオフィスでは、郵便物の受取りが有料のオプションサービスとして設定されているケースも多くあります。

バーチャルオフィスで健康保険に加入の申し込みをする際は、郵便物の受け取りが出来るのか、あらかじめ確認を忘れないようにしてください。

厚生年金の加入について

厚生年金の加入については、協会けんぽの健康保険に加入する場合と同じく、バーチャルオフィスであっても加入は可能です。

ですが、厚生年金についても、被保険者標準報酬決定通知書や各種お知らせなど、登録した事業所宛てにさまざまな郵便物等が届きます。

そのため、郵便の受け取りや電話連絡が取れることが条件となる可能性があるので注意しましょう。

雇用保険の加入について

雇用保険の加入についてハローワークに確認をしたところ、バーチャルオフィスでの事業所登録は可能との回答がありました。(※ハローワークによって回答が異なる可能性があるため、事前に管轄のハローワークに確認することをおすすめします。

ただし、バーチャルオフィスで登録するということは、基本の勤務形態がテレワークであることが想定されるため、手続きの際に通常の書類に加えて「在宅勤務雇用実態証明書」の提出が必要となります。

「在宅勤務雇用実態証明書」とは、従業員と会社の契約が「請負契約」ではなく「雇用契約」であるという、労働者性を証明するための書類で、在宅勤務者が雇用保険に加入するために必要となります。

「在宅勤務雇用実態証明書」はハローワークのHPなどでダウンロードすることができるので、あらかじめ準備することを忘れないようにしてください。

ちなみに「在宅勤務雇用実態証明書」の提出が必要となるのは、下記のいずれかに該当する従業員です。

  1. 完全に在宅勤務で働く方
  2. 在宅勤務と社内勤務があり、社内勤務だけでは週20時間未満の勤務となる方

バーチャルオフィスとレンタルオフィスの違いについて


バーチャルオフィスとよく似たオフィスサービスにレンタルオフィスがあります。

違いがよくわからないという方もいるかと思いますので、レンタルオフィスとの違いについて簡単に解説をします。

まず、バーチャルオフィスとは、言葉のとおり「仮想オフィス」のことをいいます。

実際には存在しない空間をオフィスとして利用することができ、一般的に下記のことが可能です。

  1. 法人登記
  2. 郵便物の受取り
  3. 電話番号・FAX番号の利用
  4. 応接スペース・ミーティングスペースの利用

※有料サービスの利用が出来ない場合もありますので、ご利用される場合はサービス提供会社に直接ご確認ください。

一方、レンタルオフィスとは、一般的に仕事で使用するオフィスツール(デスク、椅子、プリンタ等)が完備されている貸事務所のことをいいます。

バーチャルオフィスとの違いは、レンタルオフィスには「物理的な作業場所がある点」と、「一般的にコストがバーチャルオフィスよりも高い」という点となります。

社会保険や雇用保険の加入義務があるのはどんなケース?

これまで、バーチャルオフィスで起業した場合に必要となる社会保険や雇用保険の手続きについて解説をしました。

ただし、そもそも起業したからといって、必ず社会保険や雇用保険に加入しなければならない、というわけではありません。

では、どのような場合に加入義務があるのでしょうか。この点については、社会保険と雇用保険にわけて説明をします。

社会保険の加入義務があるケース

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に必ず加入しなければならないのは、法人を設立した場合、または、一定の事業を行う個人事業主で従業員が5人以上いる場合です。

個人事業主で従業員が5人未満の場合などは、社会保険に加入する必要はありません。

必ず社会保険に加入しなければならない事業所を強制適用事業所、そうでない事業所を任意適用事業所といいます。

任意適用事業所であっても、被保険者となるべき従業員の2分の1以上が同意した場合は、厚生労働大臣の認可を受けることで、社会保険に加入することができます。

雇用保険の加入義務があるケース

事業所が、雇用保険の被保険者となる労働者を1人でも雇用した場合は、原則として雇用保険への加入義務があります。

ただ、個人経営の農林水産業で労働者が5人未満の事業所は、任意加入の事業所となります。

社会保険の場合と少し加入義務の要件が異なるので注意しましょう。

ちなみに、事業主本人は労働者に該当しないため、従業員のいない個人事業主は、雇用保険に加入する必要はありません。

まとめ

テレワークの普及やオフィスサービスの充実などの影響で、バーチャルオフィスを活用して起業するケースが増えています。

ただ、バーチャルオフィスを法人の住所とする場合、社会保険や雇用保険の加入について注意が必要です。

基本的に、バーチャルオフィスであっても、社会保険や雇用保険に加入することはできますが、郵便物の受け取りができることや、電話がつながることなど、いくつか条件を付けられる可能性があるからです。

また、組合健保については、現時点でバーチャルオフィスの登録を認めない健康保険組合もあります。

そのため、バーチャルオフィスで各種保険に加入する場合は、事前に必要な条件などをしっかり調べて起業するようにしましょう。






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