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労務関係

雇用保険被保険者転勤届とは?書き方や手続きをわかりやすく解説

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目次

事業規模の大きな会社では、会社組織の活性化などを目的として、従業員の転勤が定期的に行われます。

その際、「雇用保険被保険者転勤届」の提出が必要なことをご存じでしょうか?

頻繁に発生する業務ではないので、書類の書き方や手続き内容について、あまり詳しく知らないという担当者も多いと思います。

そこで今回は、雇用保険被保険者転勤届について、書き方や手続き方法について、注意点などと共にわかりやすく解説したいと思います。

雇用保険被保険者転勤届とは?


雇用保険被保険者転勤届とは、雇用保険の被保険者が転勤する場合に、ハローワークに提出する書類のことをいいます。

提出先となるのは、転勤前の事業所を管轄するハローワークではなく、転勤後の事業所を管轄するハローワークなので注意しましょう。

雇用保険被保険者転勤届がハローワークで受理されないと、新しい雇用保険被保険者証が発行されないなど、転勤の手続きが完了しません。

従業員が転勤する場合は、社会保険の資格取得・喪失の届出などとともに、この手続きも忘れずに行いましょう。

転勤・異動・出向の違い

雇用保険被保険者転勤届は従業員が転勤する場合に必要となる書類です。

では、そもそも転勤とは何なのでしょうか。

よく聞く言葉なので、何となく知っている人は多いと思いますが、異動や出向との違いなど、正確に答えられる方は少ないのではないでしょうか。

そこで下記では、それぞれの意味について整理したいと思います。

異動とは

まずは、異動について解説をします。

異動とは人事異動ともいい、「勤務先の部署や役職が変わること」をいいます。

例えば、社内の組織変更にともなって、総務部から人事部に変わることや、主任から課長に昇進することなどが異動にあたります。

異動の意味はとても広く、後に述べる転勤や出向も、異動に含まれます。

転勤とは

次に、転勤とは「同じ会社で勤務しながら勤務地が変わること」をいいます。

例えば、本社勤務の方が、別の地域にある支店や工場などで勤務するケースが転勤にあたります。

ただ、実際には引っ越しを伴わない場合は、異動という場合もあります。

例えば、本社の徒歩圏内にある支店で勤務することになった場合は、転勤とはいわず、異動といったりします。

出向とは

出向には、在籍出向と転籍出向という大きく2つがあります。

在籍出向は出向前の会社に籍を置いたまま別の会社で勤務することをいい、転籍出向とは出向前の会社とは雇用契約を終了したうえで、別の会社で勤務することをいいます。

いずれも、別の会社で勤務するという点が、異動や転勤とは異なります。

雇用保険被保険者転勤届が不要なケース

従業員が転勤をする場合、会社は雇用保険被保険者転勤届を提出しなければなりません。

そして転勤とは、「同じ会社で勤務しながら勤務地が変わること」をいいます。

ただし、就業の実態から判断して、転勤にあたらない場合もあります。

例えば、別の営業所が人手不足になったため、一時的に手伝いに行くケースや、クライアント先に一時的に派遣されるようなケースです。

このような場合、転勤とはいえず、雇用保険被保険者転勤届の提出は必要ありません。

そのため、雇用保険被保険者転勤届を提出する際は、事前に転勤にあたるかどうか確認しておくことが重要です。

雇用保険被保険者転勤届の手続き方法


雇用保険被保険者転勤届はハローワークのホームページからダウンロードすることが可能です。

雇用保険被保険者転勤届の具体的な手続き方法は下記の通りです。

必要書類雇用保険被保険者転勤届
目的被保険者が転勤したことの届出
提出先転勤後の事業所を管轄するハローワーク
提出期限転勤した日の翌日から10日以内
添付書類①雇用保険適用事業所台帳
②転勤前の事業所で交付されている雇用保険者被保険者資格喪失届・氏名変更届
③辞令や出勤簿等、転勤の事実・転勤日が確認できる書類

添付書類が多く準備に時間がかかる可能性があるので注意しましょう。

届出後の流れ

雇用保険被保険者転勤届が管轄のハローワークで受理されると、下記の4つの書類がハローワークから交付されます。

  1. 雇用保険被保険者資格喪失届
  2. 雇用保険被保険者転勤届受理通知書
  3. 雇用保険被保険者転勤届受理通知書(被保険者通知用)
  4. 雇用保険被保険者証

このうち、1と2は会社側で保管し、3と4はすぐに従業員本人に渡します。

特定法人は電子申請が義務化

令和2年4月から、行政手続きコストの削減という点から、特定の法人が雇用保険被保険者転勤届を提出する際は、電子申請によることが義務付けられています。

特定の法人とは、資本金、出資金の額等が1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社です。

この要件に該当する法人は、ネットワークの事故により電子申請ができない等の事情がない限り、雇用保険被保険者転勤届は電子申請で行う必要があります。

これは、社会保険労務士が代行する場合も同様です。

労務管理は社労士に依頼をすると便利

合併や事業譲渡、または、会社内の組織変更時には従業員の転勤や人事異動が発生します。

その際、社会保険や労働保険に関する手続きだけでなく、就業規則や社内規定の整備など、さまざまな労務管理の業務が発生します。

労務管理の業務は、すべて期限内に対応しないと、労基署等から指摘されたり、従業員とのトラブルにつながる可能性があります。

もし、スムーズに労務管理を進めたいのであれば、社労士に依頼することをおすすめします。

社労士は、国家資格を持った人事・労務管理の専門家です。

依頼をすれば、社内の社会保険手続きや労務管理について、すべて丸投げすることができます。


従業員の労務管理は社労士に業務委託するべき?|SATO社会保険労務士法人

適切に労務管理を実施することは、従業員の離職率を下げ、また従業員のモチベーションの向上や生産性の向上につながります。従業員の労務管理を社労士に業務委託すべきかどうか、そのメリットなどについて解説をしていきます。

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まとめ

従業員が転勤する際は、転勤後の事業所を管轄するハローワークに雇用保険被保険者転勤届を提出しなければなりません。

提出期限は、転勤後の翌日から10日以内となっていますので、従業員の転勤が決まったら早めに準備をしてスムーズに対応しましょう。

また、一定要件に該当する特定の法人では、申請は電子申請で行うことが義務付けられています。

自社が特定法人に該当するかどうか、事前に確認しておきましょう。

雇用保険被保険者転勤届について、「もっと詳しく知りたい」「申請の代行を依頼したい」という方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にお問合せください。

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