• ホーム
  • 労働保険の保険関係成立届の添付書類や提出先など分かりやすく解説
労務関係

労働保険の保険関係成立届の添付書類や提出先など分かりやすく解説

アイキャッチ画像
目次

会社が事業を開始し、労働者を1人でも雇った場合、その時点でその会社は労働保険の適用事業所となります。

この場合、会社は「労働保険 保険関係成立届」という書類を作成して労基署またはハローワークに提出しなければなりません。

これから新しく事業を開始しようとする方や、従業員を初めて雇うという経営者・担当者の方に向けて、「労働保険 保険関係成立届」の手続きの手順や、提出先や添付書類等、わかりやすく解説をしたいと思います。

労働保険 保険関係成立届の手続き


「労働保険 保険関係成立届」は、事業所が労働保険の適用を受ける場合に、提出しなければならない書類です。

労働保険とは、労災保険と雇用保険のことをいい、原則として従業員を1人でも雇ったら、その事業所は労働保険の適用事業所となります。

必要書類労働保険 保険関係成立届(継続事業)(様式1号)
目的労働者を1人でも雇い入れた事業所が労働保険関係を成立させる
提出先・一元適用事業、二元適用事業の労災保険は事業場を管轄する労働基準監督署
・二元適用事業の雇用保険は事業場を管轄するハローワーク
提出期限保険関係成立の日から10日以内
添付書類①法人登記簿膳本(個人事業主の場合は住民票)
②労働保険概算保険料申告書

以下では、この届出をする際の書類の提出先や提出期限、手続きの注意点等について解説をします。

この手続きは、提出先がちょっと複雑なので注意しましょう。

提出先は一元適用事業と二元適用事業とで異なります

「労働保険 保険関係成立届」の提出先は、一元適用事業か二元適用事業かで異なります。

一元適用事業の場合、提出先は事業所を管轄している労働基準監督署になります。

他方、二元適用事業の場合、労災保険については管轄の労働基準監督署、雇用保険については、事業所を管轄するハローワークとなります。

建設事業者や農林水産関連の事業者等、二元適用事業の場合は、提出先が異なるので要注意です。

提出の方法については、窓口への持参、郵送、電子申請の3パターンがあります。

一元適用事業と二元適用事業の違いについて

一元適用事業とは、労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付を一括して行う事業のことをいいます。

二元適用事業とは、事業の実態からみて、労災保険と雇用保険の運用を区別して扱う必要があることから、保険料の申告・納付をそれぞれ別々に取り扱う事業のことをいいます。

具体的には、例えば建設業では、労災保険は元請業者が負担し、下請業者は負担しませんが、雇用保険については元請業者と下請業者がそれぞれ負担するのが一般的です。

そのため建設業は、労災保険と雇用保険の加入手続きや保険料の申告・納付をそれぞれ別個の手続きとして扱う必要があるため、二元適用事業となります。

二元適用事業となるのは、建設業のほか、都道府県や市区町村が行う事業、農林・水産業等で、その他はすべて一元適用事業です。

「労働保険 保険関係成立届」の提出期限


提出期限は、保険関係が成立した日から10日以内となっています。

会社の設立時にすでに労働者がいる場合は、会社の設立時が保険関係の成立した日となります。

はじめは個人事業主からスタートし、しばらくしてから、従業員を雇った場合には、最初の従業員を雇った日が、成立日となります。

届出が提出期限に間に合わない、書類を出し忘れた場合はどうなる?

原則として事業者は、労働者を一人でも雇った時点で、必ず労働保険に加入しなければなりません。

この労働者とは、正社員はもちろん、契約社員やアルバイト、パートタイマー、日雇労働者など、雇用形態や名称を問いません。

もし、提出期限内に届出をしなかったり、書類を出し忘れたりした場合、労働保険料が遡って徴収され、さらに追徴金を支払わなければならない可能性があります。

会社を設立する場合や初めて労働者を雇用する場合は、この手続きを忘れずに行うようにしましょう。

添付書類は大きく2種類

「労働保険 保険関係成立届」の手続きをする際の添付書類は大きく2つです。

  1. 事業所が実在することを証明するための書類
  2. 労働保険概算保険料申告書

1について、法人の場合は法人登記簿謄本(コピー可)です。

移転した場合など、事業所の所在地が法人登記簿謄本と異なる場合には、その事業所の賃貸借契約書のコピー等が必要になります。

個人事業主の場合には、法人登記簿謄本はありませんから、代表者の住民票を提出します。

2について、保険関係成立届を提出する際に、「労働保険概算保険料申告書」も併せて提出し、最寄りの金融機関等で、労働保険の概算保険料を納付します。

保険関係成立届の提出期限は保険関係が成立した日から10日以内ですが、概算保険料の申告・納付は保険関係が成立した日から50日以内です。

それぞれ、提出期限は異なりますが、同時に手続きを行うのが一般的です。


社会保険の手続き代行を社労士に委託する場合のメリット|SATO社会保険労務士法人

SATO MAGAZINEのコラム詳細ページです。SATO MAGAZINEとは、日本最大の社労士法人『SATO社会保険労務士法人』が運営するオウンドメディアです。社会保険(健康保険、厚生年金)や労働保険(雇用保険、労災保険)の各種手続きや必要書類の書き方、最新の法改正等に関する情報を日々発信しています。

sato-magazine.com

og_img


まとめ

事業所が従業員を1人でも雇うと、原則として労働保険が適用されます。

労働保険が適用される事業所は、「労働保険 保険関係成立届」を保険関係成立の日から10日以内に、管轄の労基署、またはハローワークに提出しなければなりません。

この届出を怠ると、遡って労働保険料を支払うだけでなく、追徴金を支払わなければならない可能性があるので注意しましょう。

また、「労働保険 保険関係成立届」の手続きと同時に、労働保険概算保険料申告書も併せて提出し、概算保険料を納付しましょう。

従業員の社会保険や労働保険の手続きについて、「わからないこと」や「相談してみたいこと」などありましたら、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。

専門のスタッフが、わかりやすく丁寧に対応させて頂きます。

お気軽にお問い合わせください。