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労働保険代理人選任届・解任届とは?提出先や添付書類を解説

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目次

基本的に、労働保険の事務処理は事業主が行わなければなりませんが、会社の規模が大きくなると、すべての手続きを事業主が行うのは難しくなります。

この場合、支店や支社、工場などの責任者を事業主の代理人として選任し、代わりに事務処理を行わせることができます。

このときに必要となる書類が「労働保険代理人選任・解任届」です。

あまり発生する手続きではありませんから、提出先や書き方などよくわからない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、「労働保険代理人選任・解任届」について、わかりやすく解説をしたいと思います。

労働保険代理人選任・解任届とは


労働保険(雇用保険+労災保険)の手続きは、基本的に事業主が行います。

ですが、事業主はその他にもやるべきことが多く、事業規模が大きくなると、労働保険の手続きすべてを事業主が行うというのは現実的ではありません。

そこで、事業主は別の人間を代理人として選任し、事業主が行うべき雇用保険や労災保険の手続きの全部または一部を、その代理人に処理させることができるのです。

このときに必要となる書類が「労働保険代理人選任届」です。

一般的に、代理人として選任されるのは、支店長や工場長、支社長などの役職者で、ある程度の権限を与えられた人です。

また、社内の人事異動や退職等により、代理人を変更するケースもあります。

その場合は、前の代理人を解任する必要がありますが、そのとき必要となるのが「労働保険代理人解任届」です。

その他、代理人の職名や氏名、代理事項の変更や印鑑の変更があった場合などにも、この様式(書類)を使って届出を行います。

労働保険代理人選任・解任届の手続き内容

労働保険代理人選任・解任届の手続き方法は次の通りです。

必要書類労働保険・一般拠出金代理人選任・解任届
目的事業主が行う労働保険手続きにかかる代理人の専任と解任
労働保険代理人選任解任役と、労働者保証代理人選任手・解任届は事業所を観察する労働基準監督署
提出先労働保険代理人選任解任届と、労働者災害補償代理人選任・解任届は事業所を管轄する労働基準監督署
雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届は事業所を管轄するハローワーク
提出期限代理人を選任または解任したときは遅滞なく提出
添付書類特になし

一元適用事業所二元適用事業所とでは用紙が異なる

労働保険代理人選任届を提出するとき、一元適用事業の場合は、緑色で印刷した用紙を使用します。

これに対して、二元適用事業の場合は茶色で印刷した用紙を提出します。

それぞれ自社にあった用紙を使用するようにしましょう。

一元適用事業とは、雇用保険と労災保険の保険料の申告・納付等を一体のものとして扱う事業のことをいい、二元適用事業とはそれぞれを別個に扱う事業のことをいいます。

基本的に、農林水産業などの一次産業と建設業等が二元適用事業にあたり、その他の多くの事業者は一元適用事業にあたります。

提出先に注意しましょう

上記で説明したとおり、労働保険代理人選任・解任届の提出先は、事業所を管轄する労働基準監督署またはハローワークです。

このときの事業所とは、本社のことではなく、理人の選任・解任を行う事業所が基準となります。

例えば、東京に本社のある会社の大坂支店で代理人を選任した場合は、大阪の事業所を管轄する労働基準監督署等に提出をする必要があります。

書き方の注意点

この書面は、「労働保険・一般拠出金代理人選任・解任届」「労働者災害補償保険代理人選任・解任届」「雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届」という3つの手続きに使用できるようになっています。

今回、届出が必要のない手続きがある場合については、題名部分の届出名に横線を引き抹消するようにしましょう。

また、代理事項の欄には、その範囲がわかるよう具体的に業務内容を記載するようにしましょう。

例えば、「労災保険および雇用保険に関する一切の事務」「雇用保険被保険者関係に関する一切の事務」などと記載をします。

労働保険代理人選任・解任届の相談は社労士が便利

労働保険代理人選任・解任届の手続きは普段あまり発生するものではありません。

そのため「どういう人を代理人にすればよいのか」「書類に何を書いたらいいのか」「社内で何か手続きが必要か」等、不安になる方も多いと思います。

もし、労働保険代理人選任・解任届について、不明点等ある場合は、社労士に相談をすると便利です。

社労士は、社会保険手続きに関する専門家なので、手続きのポイントや注意点など、具体的にアドバイスをしてくれます。

もし、忙しくて手続きができないという場合は、そのまま社労士に代行を依頼することも可能です。

労働保険についてお悩みの方は、ぜひ社労士の活用をご検討ください。

社会保険の代理人選任・解任の手続きは別に行う

労働保険代理人選任・解任届はあくまで労働保険に関する手続きについて、代理人の選任・解任をする際に提出する書類です。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続きについて、事業主が代理人を選任したり、解任したりする場合は、「健康保険・厚生年金保険事業所関係変更(訂正)届」という別の書類の提出が必要になります。

労働保険の場合、提出期限は代理人の選任・解任後「遅滞なく」とされていましたが、社会保険の場合は代理人の選解任から「5日以内」に、管轄の年金事務所または健康保険組合に提出しなければならないので注意しましょう。

支店長や工場長などの管理者・責任者に変更があった場合は、労働保険だけではなく、社会保険の代理人変更の手続きが必要になるかもしれない点を忘れないようにしましょう。


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まとめ


事業主が代理人を選任し、労働保険の手続きを処理させる場合や、その代理人を解任する場合には、「労働保険代理人選任・解任届」の提出が必要です。

新しい代理人を選任したり、既存の代理人を解任させる場合だけでなく、その代理人の職名が変わったり、代理事項の範囲に変更があった場合も、この届出が必要になります。

書類はシンプルで作成するのは簡単ですが、一元適用事業と二元適用事業とでは使用する用紙が異なるので、間違えないよう注意しましょう。

もし、選任・解任届について、「もう少し詳しく知りたい」「社労士に聞きたいことがある」という方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。


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