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年金事務所の調査と主な指摘事項を解説します

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目次

ここ最近、年金事務所による事業所の立ち会い調査が増えています。

近年の年金事務所の調査には、指摘事項に特徴があるので、それを押さえたうえで、今一度、自社の運用に問題ないか確認しましょう。

今回は、資格取得手続きに関する指摘事項と、賞与支払届に関する指摘事項をまとめてご紹介します。

社会保険の資格取得手続きに対する年金事務所の調査


まずは、社会保険の資格取得手続きに関する指摘事項を解説します。

資格取得手続きに関する年金事務所の調査に対応するには、被保険者資格取得の条件を正確に把握し、適正に運用することが重要です。

短時間労働者の被保険者資格取得の条件

最近の年金事務所の調査では、パートやアルバイトなど短時間労働者が社会保険の加入条件を満たす場合に、被保険者資格取得の手続きがとられているかどうか、という点を指摘されるケースが増えています。 

まず、基本的に短時間労働者については、「1週間の所定労働時間が20時間以上」の場合、原則として、社会保険の被保険者に該当します。

ただ、20時間未満であっても、次の条件を満たす場合には、社会保険の被保険者となります。

実際の労働時間と賃金が取得基準(※)以上の月が3か月続いていて、下記3つのいずれかに該当する場合(※労働時間:月86.7時間、賃金:月8.8万円)


  1. 4か月目以降も労働時間および賃金が基準以上の月が続いている
  2. 上記1.には該当しないものの、3か月続いた期間の初月から12か月間の平均労働時間および平均賃金が基準以上
  3. 上記2.には該当しないものの、3か月続いた期間の初月から12か月間で労働時間および賃金が基準以上の月が7回以上

参考画像:短時間労働者の被保険者取得の考え方


上記の通り、雇用契約書上の所定労働時間だけでは、短時間労働者に該当するかどうかの判断ができない可能性があるため、毎月の実際の労働時間を正確に管理することも必要です。

また、パートやアルバイト従業員が社会保険への加入を希望していない場合、何の予告もなく、社会保険の加入対象としてしまうと、後々従業員とのトラブルに繋がる可能性があります。

毎月の労働時間から社会保険加入の可能性がある従業員に対して、社会保険の加入条件に該当する可能性がある旨と、社会保険に加入することのメリット・デメリットについての事前説明を丁寧にして頂くことが必要です。 

2022年10月には、常時雇用労働者が101名以上の事業所についても、社会保険の適用拡大の対象となるため、短時間労働者の管理を行う必要のある事業所が増えることとなります。

このタイミングで上記の注意事項を事前に確認して頂くことが重要です。

賞与支払届に関する年金事務所の調査

次に、賞与支払届に関する指摘事項を解説致します。

賞与支払届については、年間で支給の時期が決まっている季節賞与について、届出を行っている事業所が多いかと思います。

近年の年金事務所の調査では、下記のような支給項目についても賞与支払届としての届出を行うことを指摘されているケースが増えています。

  • 給与で支給されている「入社祝い金」について、労働に対する対価として賞与支払届としての届出が必要
  • 給与で支給されている「入社支度金」 「赴任支度金」 「特別支援金」は賞与支払届としての届出が必要
  • 給与で支給されている 「表彰金」「報奨金」は賞与支払届としての届出が必要
  • 給与で支給された「年末年始手当」について労働に対する対価として賞与支払届としての届出が必要

上記の通り、給与で支給されている項目であっても、労働に対する対価としての性質が強いものは、賞与支払届としての届出が必要と指摘されるケースが増えています。

指摘があった場合の対応

指摘があった場合は、賞与支払届としての届出を最長2年遡って行うことと、給与金額として月額変更届、算定基礎届の社会保険対象賃金として計算を行っていた場合は、再計算の対応が必要となります。

また、再計算の結果、標準報酬月額の変更が発生した場合は、月額変更届、算定基礎届の訂正届や取消届についても提出する必要があります。

最長2年の遡りとなりますので、再計算についてもかなりの時間がかかります。

上記賞与支払届の対象になりえる給与項目がないか、年金事務所からの調査が入る前に、見直しを行うべきです。

まとめ

最近、年金事務所による事業所の立ち入り調査が増えています。

主な指摘事項は、「資格取得手続き」「賞与支払届」の2点です。

担当者としては、それぞれの要件や他者の指摘事項をチェックし、事前に社内で適正な対応がとられているか、確認しておきましょう。

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