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社会保険の被扶養者異動届とは?申請手続きをわかりやすく解説

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入社した従業員に扶養家族がいる場合や、従業員が結婚・出産をした場合などは、社会保険の被扶養者異動届が必要になる可能性があります。

基本的に発生頻度の高い手続きですが、従業員の少ない会社や、経験の浅い担当者の方の場合、手続きが良くわからないということもあると思います。

この手続きは、被保険者だけでなく被扶養者にも影響のある手続きなので、スムーズに処理することが重要です。

そこで今回は、社会保険の被扶養者異動届について、申請手続きを中心にわかりやすく解説をしたいと思います。

扶養手続きについて、「もう少し詳しく聞いてみたい」「社労士に直接相談したい」という方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。

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社会保険の被扶養者異動届とは


社会保険の被扶養者(異動)届とは、正確には「健康保険被扶養者(異動)届」といい、健康保険や厚生年金の被保険者である従業員について、被扶養者が増えたり減ったりした場合に提出する書類です。

例えば、被保険者が結婚や出産した場合などに、新しい家族を被扶養者として追加したり、逆に、離婚や死亡した場合に被扶養者を削除するために提出をします。

この書類を提出すれば、誰でも被扶養者になるというわけではなく、被扶養者の条件を満たしているかどうか、協会けんぽ等で厳しくチェックされ、問題がなければ被扶養者として認定されます。

被扶養者として認定された場合、社会保険料の支払負担が軽減されるなどのメリットがあります。

ただ、被保険者の配偶者が扶養に入ると、国民年金第3号被保険者となるため、厚生年金保険と比べて年金受給額が少なくなるなどのデメリットもあります。

社会保険の被扶養者異動届の申請手続き方法

社会保険の被扶養者(異動)届は、従業員の情報に基づいて会社が行います。

具体的な申請手続き方法は次の通りです。

必要書類健康保険被扶養者(異動)届
目的被保険者の被扶養者の追加、削除など
提出先協会けんぽ加入の事業所は管轄の年金事務所
健康保険組合加入の事業所は健康保険組合
提出期限資格取得から5日以内、または移動があった時は速やかに
添付書類添付書類は下記の通りです

被扶養者異動届の提出に必要な添付書類

不正な申請を防止するという観点から、平成30年10月1日以降は被扶養者の審査・認定が厳格化され、続柄や収入等を確認するための添付書類が必要となりました。

下記に記載しますので、間違えないよう準備をして提出しましょう。

続柄確認のための添付書類

続柄確認のために、対象者の戸籍謄抄本または住民票が必要です。

ただし、被扶養者異動届に被保険者と被扶養者のマイナンバーが記載されており、かつ、続柄を事業主が確認している場合には、省略することができます。

収入確認のための添付書類

対象者が収入要件を満たすことを証明するために、対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)であることを確認できる書類が必要となります

課税(非課税)証明書や、退職して収入がない方の場合は退職証明書や離職証明書、年金受給者の場合には年金受給額がわかる改定通知書等のコピー等が該当します。

その他の添付書類

その他、次の場合には添付書類が必要です。

  • 被保険者と同居しているが、年金機構で同居の事実が確認できない場合

被保険者の世帯全員の住民票の提出を求められることがあります。

  • 被保険者と別居している場合

仕送りの事実と仕送り額を確認できる書類の提出が必要です。例えば、預金通帳のコピーや、現金書留の控えのコピーなどが該当します。

  • 被保険者と内縁関係にある場合

被保険者、及び対象者に法律上の配偶者がいないことを証明するための書類が必要です。例えば、内縁関係にある当事者の戸籍謄抄本などがこれにあたります。

社会保険の手続き・届出で困ったときは社労士に相談すると便利

被扶養者異動届に限らず、社会保険の手続きはミスをしたり、届出が遅れたりすると、従業員やその家族に迷惑がかかってしまいます。

また、従業員が増えてくると、社会保険関係の業務も大幅に増加し、本来の会社運営や人材育成などの業務に手が回らなくなる可能性があります。

こういうときは、社労士に外注すると便利です。

手続きのプロがミスなく、スムーズに手続きを進めるので、経営者や担当者は本来の業務に集中できるためです。

もし、社会保険の手続き・届出や、労務管理などにお悩み・課題がございましたら、ぜひSATO社会保険労務士法人までご相談ください。

被扶養者異動届の提出が必要になる主なケース

具体的に被扶養者(異動)届の作成・提出が必要になる主なケースは次の通りです。

入社した従業員に被扶養者がいる場合

新しく入社した従業員に被扶養者がいる場合は、通常の社会保険の資格取得届に加えて、被扶養者(異動)届の提出が必要になります。

この場合、入社手続きの際に必要となる書類や確認事項が増えるため、担当者は期限内に届出ができるようスムーズに対応するようにしましょう。

既存の従業員に被扶養者が増える場合

従業員が結婚や出産した場合が一般的ですが、その他に、従業員の配偶者の収入が減ったため被扶養者として追加するケースなどもあります。

被扶養者には、収入が一定以下でなければならないという条件があるため、配偶者や両親を被扶養者として届け出る場合には、収入要件を満たすかどうか、しっかりと確認するようにしましょう。

既存の従業員の被扶養者が減る場合

既存の従業員が離婚や離縁した場合、又は被扶養者が死亡した場合など、被扶養者が減った場合に被扶養者異動届による削除の手続きが必要です。

また、従業員の被扶養者の収入が増え、収入要件を満たさなくなった場合も同様です。

従業員の被扶養者が収入要件を満たさなくなった場合、その被扶養者は勤務先で社会保険に加入するか、または国民健康保険に加入する必要があります。

被扶養者の条件


被保険者である従業員の家族・親族であれば、誰でも被扶養者になるわけではありません。

社会保険の被扶養者になるためには、「被扶養者の範囲」「収入要件」という2つの条件を両方とも満たす必要があります。

税法上の扶養親族とは条件が異なるので注意しましょう。

以下では、それぞれの条件について詳しく解説をします。

被扶養者の範囲

被扶養者の範囲に含まれるのは次の通りです。

1,被保険者との生計維持関係が認められる次の者

  • 配偶者(内縁関係を含みます)
  • 直系尊属(父母、祖父母等)
  • 子(養子を含む)、孫
  • 兄弟姉妹

被保険者と同居しているか別居しているかは問いません。

生計維持関係とは、家族の主な生活費を被保険者が負担している関係のことをいいます。詳しくは後から説明する収入要件を参照してください。

2,被保険者との生計維持関係が認められ、かつ被保険者と同居している次の者

  • 3親等内の親族
  • 内縁関係の配偶者の父母および子
  • 内縁関係の配偶者が死亡した後におけるその父母および子

1に比べて被保険者とのつながりが薄くなるため、生計維持関係に加えて、同居していることが必要となります。

3,国内居住要件

令和2年4月1日以降、上記の1又は2の条件に加えて、「国内に住所を有していること」が追加されました。

ただし、次の場合には、海外に居住していても国内居住要件は適用されません。

  • 外国に留学している学生
  • 観光やボランティア活動など就学以外の目的で一時的に渡航している者
  • 被保険者が外国に赴任している間に、その被保険者との身分関係が生じた者
  • その他、渡航目的を考慮して日本国内に生活の基盤があると認められる者

被扶養者の収入要件

上記の「被扶養者の範囲」に含まれるには、被保険者によって生計が維持されていることが必要です。

生計が維持されているとは、被保険者の収入によって家族の日常生活が成り立っていることを意味し、その人の生計費の半分以上を被保険者が継続的に負担していることをいいます。

具体的には、次の通りです。

対象者が被保険者と同居している場合

  • 対象者の年間収入が130万円未満、かつ被保険者の収入の2分の1未満
  • 対象者が60歳以上、または障害厚生年金の受給要件に該当する障害者の場合は、年間収入が180万円未満、かつ被保険者の収入の2分の1未満

対象者の収入が被保険者の2分の1以上であっても、被保険者の収入を上回らなければ、生計の実態を総合的に考慮して、被扶養者として認められる場合があります。

対象者が被保険者と別居している場合

  • 対象者の収入が130万円未満、かつ被保険者からの仕送りの額よりも少ない
  • 対象者が60歳以上、または障害厚生年金の受給要件に該当する障害者の場合は、年間収入が180万円未満、かつ被保険者からの仕送りの額よりも少ない

対象者の収入が被保険者の仕送りの額よりも多い場合であっても、実態に照らして社会通念上妥当と判断される場合には、被扶養者として認められる場合があります。


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まとめ

被保険者である従業員が結婚や離婚、出産をした場合など、被扶養者の追加や削除がある場合、会社は社会保険の被扶養者異動届を提出しなければなりません。

この手続きが遅れたりミスをすると、被保険者だけでなく、その被扶養者にも迷惑がかかってしまいます。

担当者はあらかじめ手続きの流れや、必要となる添付書類などをしっかりと把握し、スムーズに手続きをすすめましょう。

もし、被扶養者異動届などの社会保険手続きについて、質問やご相談などがある方は、ぜひSATO社会保険労務士法人まで気軽にご相談ください。

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